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2011.10.06 日本語の小姑
 外務省のFBとツイッターのアカウントから、数日前にこんな日本語が流れました。
 

 9月13日に能登半島沖で発見された脱北者9名について、政府としては、人道上の見地から適切に対応するとの方針の下、韓国行きを希望するという本人たちの意向を踏まえ、韓国側との調整を行い、本4日(火曜日)午前、韓国に向けて出国しました。


 別に、ここで日本の対北朝鮮政策を論じましょうなんて高尚なことを考えているわけではなく、ちょっと日本語の在り方について書いてみようと思ったわけです。いや、日本語の在り方なんていう一般的な次元の高い話をしたいわけではなく、単純にこの日本語なんかおかしくね?と。こいつは普段からこういう目でもって日本語を読んでいるのかと思われるのも嫌なのですが、そして、本なんかを読む時も得てしてこんなことを考えながら読んでしまう性質なので、いやいやそんなことはない今回だけたまたまと返すこともできないのですが、たまには考えたことをそのまま書き連ねるというのも悪くないですよね。

 まず一番おかしいのは、なんの断りもなく主語に一貫性を持たせていないこと。何も主語は必ず「は」なり「が」なりを伴わなければいけないとは思わないし、実際この文にように「政府としては」という形で主語を示す文は新聞記事(これを日本語の模範とすべきかについては別途議論の余地はありますが。)にも見られるので良いのだけど、よくよく見ると、「~の方針の下、~の意向を踏まえ、~調整を行」ったのはたしかに「政府」だけど、「韓国に向けて出国し」たのは「脱北者9名」なわけでしょ、気持ち悪すぎる。

 この気持ち悪さを是正する方法はぱっと思いつく限り2つあって、1つは、単純に主語を明記してしまうこと。

 9月13日に能登半島沖で発見された脱北者9名について、政府としては、人道上の見地から適切に対応するとの方針の下、韓国行きを希望するという本人たちの意向を踏まえ、韓国側との調整を行い、これを受け、本4日(火曜日)午前、当該脱北者9名は、韓国に向けて出国しました。

これでずっと良くなるとは思うけど、だったら一文にするなよ、という指摘は免れませんね。そこで、文頭の「9月13日に~について」を文全体の目的語を提示したものと見れば(実際、「適切に対応する」の目的語は脱北者以外に考えられない。)、こうすることも可能ではないかと思われます。

 9月13日に能登半島沖で発見された脱北者9名について、政府としては、人道上の見地から適切に対応するとの方針の下、韓国行きを希望するという本人たちの意向を踏まえ、韓国側との調整を行い、本4日(火曜日)午前、これを韓国に向けて出国させました。

ただ、使役の助動詞を使うことで、実際に発出された文章以上に、行為の中に政府の主体性を見出しやすいので、発出する側は好まないかもしれませんね。

 この気持ち悪い点をクリアすれば、あとは読めなくはないと思うのだけど、それにしてもまだあることはあります、気になるところ。「韓国行き」という中途半端な名詞の形を使うこと、脱北者たち以外に人格は登場していないのに安易に「本人」という名詞を使うこと、など。別に問題は指摘できないけど、「韓国側との調整」も気に入らない。ドイツ語みたいに長い名詞を作る必要があるところじゃないんだから「韓国側と調整を行い」でいいんじゃないですかね。あ、ここにも「9月13日~について」がまだ引っかかって来ていますね。日本語はこれだから面白い。
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