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 先週末、パリはバスティーユのオペラ座(新しい方=「オペラ座の怪人」のオペラ座ではない方)でR・シュトラウスの『サロメ』を見て来ました。オペラ座での鑑賞は、来仏以来3度目。話自体もなんだか奇妙な内容だし、全1幕で間に一切休憩は入らないしということで、この作品を見るのは実は初めてだったのですが、すごく良かったです。何がって、歌もさることながら、今回はオケの質がかなり高かったなぁという感じ。言葉どおり期待以上の出来で、終演後のカーテンコールでは真剣に拍手喝采しました。指揮はピンチャス・スタインバーグだったのだけど、要するに彼が良かったんだろうなという感じ。まさに大熱演でした。

 他方、演出については多少疑問に残るところもあって、まず、クライマックスというべきサロメの「7つのヴェールの踊り」が、ときどき生足を艶めかしく見せてみたりはするものの、要するにヘロデとの小学校のフォークダンスみたいな感じになっていて、これじゃあどうしてヘロデがそこまでサロメに踊るよう懇願したのかよくわからないじゃないかとやや興醒めでした。やはりこの踊り、「7つのヴェール」の踊りであるからには、いわばストリップのような形を取っていなければ意味がないわけで。別に歌手に裸になれとは言わないまでも(かつてはそういう演出も実際にあったらしい。)、少なくともヘロデが取りつかれたようにこの踊りにこだわるのが腑に落ちる程度にはそういう要素もなくてはいけなかったのではないかなぁ。

 あとはラストシーン。オスカー・ワイルドの原作も含め、ヘロデが「サロメを殺せ」と命じるところで終わるというのがお決まりのパターンだと思っていたのだけど、王がそう命じた途端、後半はずっと舞台上にいなかったナラボートの奥さんがいきなりどこから登場してサロメの首を掻き切るという演出になっていて、びっくり。人々が「サロメ」という作品に魅せられる理由の一つに、サロメの浮世離れした感じ、と言ってしまうとちょっときれいすぎるかもしれないけど、とにかく彼女の「この世のものとは思えない何か」に魅せられてしまうからという要素は絶対にあると思うのだけど、そのサロメの最期を眼前で示されると、一気に現実に引き戻される感じがしてしまうと思うのです。あとは、そこで登場するのがなぜナラボートの奥さんでなければいけなかったのかも意味不明。

 以上2点、それなりに手厳しく書きましたが、総じて大満足の出来栄えでした。ドイツ及びイタリアの諸都市に比べると、名声は一段下がるかなという感じも否めないパリのオペラですが、いやいやそんなことないじゃないかと真面目に思いました。今シーズンは演目も良いので、これはちょっと定期的に通ってしまいそう。お財布と相談して…と思ったけど、東京で同じものを同じ席で見ようとしたら、値段は倍は下らない、下手したら3倍?4倍?という感じだと思うので、お財布と相談しているヒマなんてないかもしれません。
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