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 木曜日はオルセー美術館が22時近くまでやっている日ということで、帰りに寄り道して行ってきました。フランスに来てから7か月以上経つものの、実は行くのは初めて。というのも、着いた時にはちょうど東京の国立新美術館でオルセー美術館をやっていて、出国直前に見ていたので。

 国立新美術館の展覧会には、とにかく有名どころがたくさん来ていてすごいなと思ったけど(いま思い返しても、展覧会の構成や展示方法はあまり気に食わなかったが。)、本物ともなると見応えはかなりのものですね。閉館の3時間近く前に入って、それでも最初から全部見る気なんてなかったとはいえ、地上階だけを全部見ることもできなかった。。。国立新美術館が作品の招聘の観点からかなり頑張ったというのは確かなようで、「あ、きみ東京に来てたね」という絵が結構たくさんありました。まぁ、あれだけデカい展覧会だったのだから、当たり前か。

 モネやマネ、ルノワールについては既に多くが語られ過ぎていて、ボクが新たに言えることなどないと思うので割愛しますが、今回認識したのは、クールベは別に嫌いではないんだなということ。最初の1、2枚は純粋にすごいなと思えるのだけど、どうもそこでお腹いっぱいになってしまうというのが、これまで彼の作品を敬遠してきた原因だということに気が付きました。暗めのトーンが原因の一つでもあるとは思うけど、暗いからといってみんながみんなそういう印象を与えるわけでもないはずで(反証例:レンブラント)、結局は題材なのかなぁと。風景画には、最初の1枚こそ息を飲まされますが、見ていくうちにシートン動物記の挿絵を見せられているような気にさせられるという感覚に陥るのです。精緻に過ぎるということか。結局、街や社会生活を描いた絵が好きなのだという好みの問題に帰着するのかもしれませんが(ちなみに、この好みに気が付いたのもフランスに来てから。)。

 ゴッホは、日本人が一番好きな画家だと言われますが、そしてボクも別に決して嫌いではないのだけど、改めてあれこれ見て「一番好きな画家」とまで推される理由はよくわからんなという印象を確実なものにしました。当然のようにゴーギャンの作品と並べて展示されていたのだけれど、ゴーギャンが実は残していた数少ないいかにも印象派チックな作品というのはボクは魅力に富んでいると思うし、それを教えてもらったのはルーアンで3度通った巨大な印象派展なのだけど、そういう魅力はもっと十分に伝えられるべきなのではないかと思いました。もちろん、タヒチを描いた作品も好きだけど。

 最初はマイナーなコーナーを地味に見ていたので、意外にフランス人もかなり来ているじゃないかと思ったものの、そう感じたのも束の間、日本人だらけでした。他の場所にはあれほどたくさんいる中国人はどこへやら。ツアー客から個人旅行客までとにかく日本人がいっぱい。有名な美術館だし、なにより名高い作品がたくさん展示されているわけですし、別にいっぱい来る分には良いのだけど、ただひとつ、かかとを引きずって歩くのだけはやめてもらえませんかね。あの嫌な音が聞こえて振り返ると、音の主は十中八九日本人。そりゃそうか、こっちの人は、その音を立てるかどうかで社会的階層がわかるという人までいるほど、その音を忌避しますからねぇ。ボクは、幼い時からかかとを引きずりながら音を立てて歩くのは品の悪いことなのだと教えられて育ったので、これほどまでにその音を嫌悪しているのですが、みんな気にならないんだろうか。かなり疑問。

 ルーブルと比較することなんて意味はないと思うけど、オルセーの方が比較的落ち着いて見られるなという感じがしました(いずれにせよデカいので、バーッと走って見てしまいがちであるという点は否めないけど。)。果たしてそれは、単にルーブルがあまりに巨大過ぎるからということか(繰り返しますが、オルセーも十二分に巨大だと思いますが。)、単に御多分にもれず印象派・ポスト印象派(「後期印象派」と訳すのは大きな誤り。)に対するボクの関心が強いということか。唯一具体的に気付いた点を挙げるとすれば、見上げる形で見なければならない(縦に2枚の絵が並べられた)形の展示はごくごく数えるほどしかなかったこと。どの作品も、その角度から見られることは想定していないわけで、そうでもしないと並べきれないほどの作品があるのはわかるけど、あれはあまり関心しないのですよね、いつも。

 閉館時刻まで満喫し、いざ退散。閉館案内の放送は、フランス語、英語、スペイン語、イタリア語に続き、日本語でも流れていました(ドイツ語もあったかな、あったんだろうな。)。全部同じ人が生で読みあげているっぽかったので、その人はおそらく日本語は全然喋れないのだと思うけど、だてに毎晩読んでいないということか、かなり正確な発音でした。。。これもあれだけ大量に押し寄せる日本人客のおかげ(?)か。
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