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見ました。

決して悪くはなかったけど、本年度アカデミー賞最多8部門受賞!とかいう前評判ばかりが先行して、かなり期待値を上げて見てしまったせいか、決して悪くないけどそこまでいいか?という印象は受けました。繰り返しになりますが、これはあくまでも当初の期待値を勝手に高めていたせいなので、映画そのものにはいかなる罪もないと思います。

quasi現在と過去を行ったり来たりしながらシナリオを進めるという古典的な方法を、quasi現在にも一定の物語が描かれるように設定したこと、また、quasi現在において話がちょっと進むごとにそれに1対1対応する過去のエピソードを流すという緻密な構造で表現したこと、などは一見目新しく見えるものの、古典的な(つまり、やり尽くされた)方法をとっていることには変わりない。それに、quasi現在にも一定の物語が描かれるように設定したとはいえ、過去との間を行ったり来たりする間にquasi現在で起こることは、基本的には取調べのやりとりだけで映画の筋には影響しないし、取調べのやりとりである以上、場面の変化には乏しいし、一見目新しいようでそうでもないように思う。さらに言えば、quasi現在に1対1対応の過去のエピソードを流すという構造も、要するに映画全体がショートショートの寄せ集めにしてしまっている感じが否めない。もちろん登場人物は共通しているから、まったく別の話というわけではないのだけど、サザエさんが同じ登場人物でまったく違う話を1日に3本放送するあの感じ。群像劇というスタイルを採る場合でも、そうではなく、全体として話が前に進むようにするものだと思うんだけど、どうしてああいうぶつ切りの撮り方にしたんだろう。。。主人公を幼少期のエピソードから描くので、ある程度ぶつ切りにしないと時間が間延びするばかり、という配慮もあったのかもしれないけど、それにしても、もうちょっとスムーズにつなぐこともできたのではなかったか。まぁこれはもう好みの世界ですがね。

あとは、キャラクター設定ですかね。たとえば主人公の兄。主人公の運命をなんだかんだ最後まで翻弄する準主役級の役どころでありながら、最後までキャラ立ちしきれない、という感じ。こういうキャラに描こうとするものを感じることはできるんだけど、なんでそこでそのキャラが揺らぐようなことをさせるわけ?と上映中に何度も思った。ボクが単純な見方しか出来ていないということかもしれないけれども。というか、フィクションなんだから、そこらへんは融通を利かせたら良かったのではないか、と、ただそれだけです。

他方、考えさせられることは多かったです。インドにおける宗教的対立の実態とか、ボクはよくわかっていないから、かつ、宗教的対立というと中東、旧ユーゴ、アイルランド、一部のアフリカなどが浮かぶばかりで、宗教的対立の文脈でインドを思い出すことがなかったから(インドとパキスタン、バングラデシュがずいぶん前から別々の国家であるということも関係する気がするけど。)。あとは、これも日頃当たり前だと思っている日本におけるガバナンス(この映画の場合、主に警察権の行使)が、途上国一般においてならいざ知らず、巨大新興国ともてはやされるインドにおいてすら確保されていないこととか、わかりそうなことだけど感覚としては染み付いていない(日本における当たり前が、インドにも適用されるものと思ってしまう節がどこかにある。)気がする。警官にボコボコにされながら、アメリカ人観光客に対して「It's a real India.」という主人公に対して、アメリカ人観光客が「I will show you power of a real America.」と言って大金を振る舞うシーンなんて、ベタだけど、笑ってしまいました。

消化不良を起こしているわけではないのだけど、何かが物足りないのかなぁ…単にヨーロッパ映画との違いの問題の気もするけれども。いずれにせよ、決して悪くはない映画です。でも、それ以上の評価はちょっと避けたい感じ。
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